保育士の就職先について
保育士になるには、保育専門学校などで専門課程を学び、卒業して保育士資格を取得することが条件です。
保育士資格を取得すれば保育の専門知識を履修したことを証明できるため、関連施設や企業への就職が可能となります。
保育士として働ける職業は近年細分化しているので、さまざまな職場が就職先として考えられるでしょう。
以下からは、保育士の就職先として増えている職業について解説します。
保育園・保育所
保育園・保育所は、多くの保育士が就職する際に最初に検討する職場でしょう。
子どもたちを預かって世話やレクリエーションを行いつつ、保護者と連携して育児のサポートをするのが主な仕事です。
保育園・保育所は、公立と私立に分類されています。
公立の保育園・保育所に就職する場合には地方公務員となり、福利厚生や育児休暇などの支援が充実していると評判です。
一方で、私立の保育園はその職場ごとに待遇や雇用内容に差があります。
独自の育児方針やルールを設けている私立保育園・保育所も多いので、就職前に労働条件や実際の仕事現場を確認しておくことがポイントです。
小規模認可保育所
小規模認可保育所とは、2015年からはじまった「子ども・子育て支援新制度」によって設立された保育所です。
定員6~19人で運営される少人数制が特徴で、主に0~2歳児の子どもを対象に預かっています。
これまでは19名以下の定員で運営している小規模の保育所は認可外とされてきましたが、新制度の開始によって子どもの人数が少なくても地域型保育事業として認められるようになりました。
そのため補助金の支給を受けられたり、入所希望者の対応を自治体が行ってくれたりといったメリットがあります。
一方で、国の基準に合わせた設備や職員の配置が必要になるため、保育士の少ない小規模認可保育所では限られたリソースを上手に使って条件を満たしていく難しさがあるでしょう。
今後も共働き世代のサポートや待機児童問題の解消のために、小規模認可保育所は重要な存在となると予想できます。
保育士の募集が増えることも考えられるので、就職先のひとつとして考慮してみるといいでしょう。
認定こども園
認定こども園とは、保育園と幼稚園の両方の機能を備えた複合的な保育施設です。
就学前の子どもに対して幼児教育を受けさせられる機能と、子育てに悩む保護者の支援や相談活動など、地域における子育て支援が可能な体制が整っていると、都道府県から認定こども園として認可されます。
認定こども園は「両親が働いているかどうか」に関わらず利用ができ、預かり時間も比較的長いのが特徴です。
保育園や幼稚園に預けられない保護者を支援する施設として、今後は認定こども園の存在にも注目が集まるでしょう。
認定こども園に就職する場合には、保育士資格だけでなく幼稚園教諭の資格も必要です。
両方の資格取得を狙える専門学校などを活用し、スムーズに就職までつなげられるように備えましょう。
企業内保育所
企業内保育所とは、各会社の内部に設置されている保育所です。
その会社で働いている従業員の子どもを預かるのが特徴で、企業にとっての福利厚生の一部として機能しているケースもあります。
営業時間も基本的に会社の修業時間に合わせられるので、延長保育などが発生しない点も特徴です。
一方で、会社がシフト制の場合にはそれに合わせて保育士も働く時間が変わるので、普通の保育園にはない24時間体制の業務を行うこともあります。
また、企業内保育所に近い就職先に「院内保育所」がありますが、こちらは病院内に設置されている保育施設を意味します。
医者や看護師など病院内で働く人の子どもを預かる保育所であり、企業内保育所に近い性質があります。
保育ママ(家庭的保育事業)
保育ママ(家庭的保育事業)とは、自治体に所属して子どもを家庭内で預かる家庭福祉員の仕事です。
一般的に3歳までの子どもが対象となり、最大3人まで世話を担当できます。(家庭的保育者が補助者を雇用した場合は5人まで)
自宅で子どもを預かることも可能で、通勤時間などを短縮したり、家事と仕事を両立しやすかったりといったメリットがあります。
保育ママは個人事業主として働くことになりますが、自治体ごとに仕事をするための要件があるので、事前に内容を確認しておきましょう。