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土を使わないで野菜を育てる
「水耕栽培」とは?

土を使わないで野菜を育てる
「水耕栽培」とは?

公開日 : 2023年04月19日

水耕栽培は、土を使用する代わりに、水槽を使って肥料が溶け込んだ水溶液で作物を栽培する方法です。自宅に庭がない方やマンション住まいの方でも家庭菜園が楽しめると人気が高まっています。また、土づくりが不要で生育も早いことなどから、水耕栽培に取り組む農家も増えてきました。この記事では、水耕栽培の基礎知識から、はじめ方、管理方法までを紹介。水耕栽培に興味がある、何となく知っているけど詳しく知りたいという方は、ご一読ください。

水耕栽培とは

水耕栽培とは、土を使わずに植物を育てる方法のことを言います。土の代わりに水と水に溶かした肥料を使って栽培するのが特徴で、ハイドロカルチャーやアクアポニックスとも呼ばれています。根の形状にもよりますが、苗を溶液にそのまま浸すのではなく、根が張れるようにスポンジやガラス、ハイドロボールなどと一緒に植えて育てます。

水耕栽培の歴史

所説あるようですが、古くは紀元前600年のメソポタミア文明のころに水耕栽培が行われていたと言われています。エジプトのナイル川周辺でもイネ科の植物を育てていたようで、想像するよりもはるか昔から、水耕栽培が行われていたことが分かります。近代的な水耕栽培の礎は、19世紀の植物学者であるユリウス・フォン・ザックスが築いたとされ、植物に必要な栄養分や成分を研究したのが始まりでした。日本では、第二次世界大戦後から水耕栽培が始まり、今ではシステムで管理しながら行うスマート農業の1つとして、水耕栽培が行われています。

土耕栽培との違い

大きな違いは、土を必要としないことです。そのため、水耕栽培は屋内で行われることが多く、個人が自宅で自家栽培を楽しんだり、都会のビルの一室を使って野菜が作られていたりします。室内のため、害虫や病原菌が入り込む余地が少なく、農薬を使用しなくても育てられる点も違いと言えるでしょう。また、根を張るスピードも異なります。土中に根を伸ばすよりも水中に伸ばす方が根への抵抗が少ないためです。そのため、水耕栽培だと良く育つと言われます。

水耕栽培のメリット

水耕栽培は主に室内で行うため、土耕栽培に比べると省スペースで植物を育てられるのがメリットです。土を使わないため、土壌を好む害虫などの影響を受けにくく、育ちもスピーディーと、園芸初心者でもはじめやすい特徴があります。水と光を人工的に管理するので、育てる植物の質が安定しやすいのもメリットと言えるでしょう。室内で育てるため、天候の影響も最小限に抑えられます。ただ、電気を使っている場合は、台風や地震などによる停電に備えておくと安心です。

水耕栽培はこんな人におすすめ

水耕栽培を行う栽培キットの中には、自動制御機能が付いているものもありますので、その分管理が楽に行えます。土耕栽培に比べると手間が少ないのが魅力です。ガーデニングや家庭菜園の初心者はもちろん、過去にチャレンジしたけど虫に食われてしまった・管理が難しく枯らしてしまった、という方にもおすすめの方法です。

水耕栽培に適している野菜とは

水耕栽培に適したのは主に「葉物野菜」

水耕栽培に向いているのは、レタスや水菜、大葉などの葉物野菜など。育てやすいものなら、ミニトマトも枯れにくくおすすめです。枯れにくく丈夫な植物を選ぶと良いでしょう。その他におすすめの野菜は以下の通りです。種を購入して育てるものもあれば、スーパーなどで一度購入して、残った茎を再利用できるものなどがあります。

<水耕栽培におすすめの野菜類>
小松菜、レタス、サラダ菜、春菊、水菜、ブロッコリースプラウト、ルッコラ、豆苗、パクチー、ピノグリーン、ビートオールレッド、イタリアンパセリ、クレソン、ミントなど

<水耕栽培に適していない野菜>
水耕栽培に向いていないのは根菜類です。水耕栽培は根をしっかりと張るのが難しいのに加え、根が伸びていくと水位を調整しなくてはいけません。根が可食部の根菜類は、慣れていないと水位の調整が難しく、根腐れを起こす可能性があるので、まずは葉物野菜からはじめていくのが良いでしょう。根菜類を育てるときは、根がまっすぐに伸びて水位の調整が比較的行いやすい大根やニンジンなどからはじめましょう。

初心者にはどんな野菜が適しているのか?

家庭菜園をはじめるなら、おすすめはトマトです。成長が早く強いため、失敗しにくい特徴があります。また、バジルやミントなどのハーブ類も良く育つので、初心者の方でも育てやすい植物です。また、種から育てるものよりも苗から育てる野菜の方がはじめやすいでしょう。発芽させてから根を付けるまでの手間がかかりません。苗はホームセンターなどで購入できます。

水耕栽培のはじめ方

栽培方法

肥料を含んだ水に、根が浸るようにして育てていきます。専用の水耕栽培キットを使ってもいいですし、不要なペットボトルやコップなどを使ってもOKです。根はすべて浸すのではなく、三分の二ほどになるように水位を調整します。水に加える肥料には、液体のハイポニカや粉状のハイポネックスなどの種類があります。育てる野菜や植物の種類、生育段階によって与える肥料の量や種類をかえる必要があるケースもあるので、説明書はよく読んでおきましょう。植物の苗からではなく、種から育てる場合は発芽させる必要があります。種はスポンジなどに等間隔で撒き、毎日水をかえながら育てていきましょう。発芽したら、水耕栽培へと移行します。

栽培するために必要な物(準備物)

基本的に必要なのは、以下の4点です。
・植物
・植物を入れる容器
・植物を支えるための培地
・水、肥料

より本格的に水耕栽培を行いたいときは、酸素ポンプや水流を使ってみるのも1つのやり方です。酸素を送ることで、スムーズに植物が育つようになります。根を深く浸している場合は、酸素不足を防ぐことにもつながります。また、水を循環させるポンプを使う方法もあり、根を浅く浸しておけるので、酸素の供給をしなくてもOKですし、深く浸さないで良いため水の量を抑えられるのもメリットです。しかし、循環システムを構築する必要があります。自作もできますが失敗すると水漏れなどのリスクがあるため、キットを使うのがおすすめです。

水耕栽培の管理方法

置き場所はどこが良い?

日当たりや風通しが良い場所に置くと、植物が元気に育ちます。日差しが強いときは、薄いカーテンやすだれなどで光を和らげましょう。また、電気を使って水を循環させ、光を照らして育てる水耕栽培キットを使う場合は、水替えがしやすくコンセントが近い場所に設置しましょう。水替えなどの際には、漏電に気を付けてください。水がこぼれないように、平らで安定感がある場所に置くと安心です。水の入れ替えを考えると、水道が近くにあると便利。小さいサイズであれば、キッチン周りにおいても良いでしょう。小さいお子さんやペットがいる場合は、誤って植物や溶液を口にしてしまわないように注意してください。

水やり・水替え

水が濁ってきたり、ぬめりが出てきたりしていれば交換のサインです。放っておくと根腐れを起こしてしまいます。また、水替えの頻度は、水の量や循環させているかによって異なります。一般的に、水は量が少ない方がダメになりやすいため、1カップ未満程度の水で育てている場合は、毎日水を取り替えましょう。また、循環させている方が水は腐りません。これは、酸素を含みやすいためです。酸素があることで、酸素を嫌う微生物の発生が抑えられて水が長持ちします。大がかりになってくると水の交換も大変になってくるので、循環型のシステムやキットを導入する、酸素ポンプを使うなどで対策すると良いでしょう。

根腐れを起こさないポイント

植物の根腐れの主な原因は酸素不足です。根を深く浸している・水替えの頻度が低いといった場合に起こります。根を適度に空気に触れさせておくと良いでしょう。また、溶液に藻(アオコ)が発生してしまうとその死骸が酸素の供給を妨げます。藻は光によって増えるため、溶液を入れている容器を覆って光を遮断して藻の発生を防ぎましょう。もし、藻が発生してしまったら容器や培地などをキレイにしてあげてください。

水耕栽培がこれからの農業を支える

世界的に注目を集める水耕栽培

個人でも手軽にはじめられる水耕栽培は、産業としても世界的に注目を集めています。農業を行う場合、避けて通れないのが天候の影響です。しかし、水耕栽培は屋内で植物を育てられるため、天気に左右される心配はほとんどありません。また、屋内で栽培できるため広大な農地も不要な新しい形の農業です。

アメリカの水耕栽培の事例

水耕栽培の先進国アメリカでは、大都会ニューヨークで水耕栽培が行われています。農地と言えば横に広いイメージですが、ニューヨークのビルの一角で行われている水耕栽培は、縦に植物が並んでいます。プランターが段に重ねられたり、ほぼ垂直の壁に植え付けられたりと、従来の農業の概念とは異なるイメージです。植物が育つのに必要な光は、管理システムとLEDによって与えられています。スマホ1つで状態が確認できるため、手入れもしやすくなっているのが特徴です。アメリカでは、都会の中でこうした水耕栽培が広がりを見せています。

日本でも需要が拡大中

水耕栽培の需要は、日本でも拡大していくと予想されています。これは、水耕栽培を含む手法の養液栽培の普及率が、野菜全体でまだ6.4%に留まっているためです。今後、スマート農業や植物工場といったシステマチックな農業へとシフトチェンジしていくこと考えると、水耕栽培のように光や水流をシステムで管理しながら行う農業は広がっていくと考えられます。

水耕栽培に興味があるなら名古屋医健スポーツ専門学校

名古屋医健スポーツ専門学校では、水耕栽培が体験できます。LED水耕栽培の設備が学校内にあるため、植物の育て方はもちろんデータの見方も身に付けられるのが特徴です。都市型農業とも呼ばれる手法を身に付けておけば、変わっていく世界の食料事情にも対応できる力が身に付きます。もちろん、土を使った栽培も学べます。水耕栽培・土耕栽培の両方を体験することで、食材への理解が一層深まるでしょう。両方を掛け合わせた新しい農業の形が見えてくるかもしれません。水耕栽培でおいしい野菜を育ててみたい!という方は、ぜひ名古屋医健スポーツ専門学校で学んでみませんか。スイーツやカフェメニューづくりが体験できるオープンキャンパスも随時開催中です。

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名古屋医健スポーツ専門学校では、最先端の水耕栽培を学ぶことができます。充実した設備の中で、植物の育て方からデータの見方まで学ぶことが可能です。また、土耕栽培も学ぶため、これからの農業のあり方に対応できる力が身につくでしょう。

新しい農業に興味があれば、まずは名古屋医健スポーツ専門学校の資料請求をしてみましょう。スイーツやカフェメニューづくりが体験できるオープンキャンパスも随時開催中です。
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